ビジネスは、心の翻訳機を携えて

Summary

こんにちは。
プランニングエディターの西尾です。

今回は、普段仕事をする中で、密かに実行していることについて書いてみたいと思います。(あくまでも個人的な心の持ちようの話しです)

ビジネス用語は便利な道具

エビデンス、アジェンダ、アグリー、KPI、CPA、刈り取り......、いやいや日本語で言ったほうがいいのではという横文字ものから、便利な略語、独特の表現まで広義のビジネス用語っていろいろありますよね。

出版社時代に、ビジネス用語を全く使ってこなかった私も、郷に入れば郷に従え。Pomalo入社してからは、仕事をしていく上での基礎知識として、都度索引したりスプレッドシートにまとめたものを見ながら、少しずつ覚えていきました(実際のところは今でも検索することも多いのですが......)。

実は最初は口にすることに気恥ずかしさすら感じていたのですが、すらすらと使えるようになれば、即時に意味が伝わるのですから、それはそれで便利。なんならプライベートでもうっかり口にしてしまい、家族や友人を苛つかせたりすることもあるくらいです。

ただ、ビジネス用語と呼ばれるものの中には、個人的になんだか違和感があるものも多いというのが正直なところ。
そこで、私はいつでも心の翻訳機を持つようにしています。

心の翻訳機とは......

いくつか具体例をあげてみたいと思います。
例えば......、

【集客】
ビジネス翻訳:見込み客を効率的に集めること
心翻訳:興味を持ってくださるお客さまに、足を運んでいただくこと

同じでは?という突っ込みも聞こえてきそうですが、そもそも興味を持ってくだりそうなお客さまのことを「見込み客」と読んでいるうちにどこか礼が失われていくような気がするのです。

他にも、挙げてみます。

【顧客獲得】
ビジネス翻訳:商品やサービスを利用する消費者を手に入れること
心翻訳:誰かとコトやモノを介してつながること

意訳に過ぎるでしょうか......。しかしながら、お客さまに対して「獲得」という言葉を使うことが、どうもしっくりこないのです。
そもそも、獲得を日本語辞書で引いてみると

【獲得】
手に入れること。努力して自分のものにすること。(「大辞林」/三省堂)
とあります。

努力することはもちろん良いことですし、納得感があります。しかしながら、やはり「売り手側からの目線でしかない」のが引っかかります。

その違和感を、関連用語の【エンゲージメント】から紐解いてみたいと思います。

ビジネス上では、自社と顧客が深いつながりをもつことを【エンゲージメント】と言いますが、こちらは、日本語辞書で引くと、取り決め。約束。婚約。(「大辞林」/三省堂)とあります。
この3つは、どれも相手ありきのもの。この意味合いは、ビジネス用語として使われるときにも失われていないはずです。

努力するのはある意味当然、相手との間に通じる何かがあってこそ。
【獲得】という言葉には、そこの視点が抜け落ちてしまっているような気がするのです。

いつでもそこには「人」がいる

もちろん、先にも述べたようにこういった用語は、ビジネスをスピーディーかつ円滑に進める上で有意義ではあります。が、受け売りで使っているうちに、内包する意味の順番が入れ替わってしまったり、本質から離れてしまうことがあるのではないでしょうか。

最近読んだなかで感銘を受けたというか、目を開かされた一冊を紹介します。

『お金のむこうに人がいる』著:田内学(ダイヤモンド社)
www.amazon.co.jp/dp/4478113726

話題の書籍なので、ご存知の方も多いかもしれませんが、元ゴールドマン・サックスの金利トレーダーだった田内学さんが書かれた本で、常にそこに「人」がいると認識することで、経済を直感的に捉えることができる新しい経済入門書とも言える一冊です。

本のカバーの袖部分には、大きくこう書かれています。
❝お金を取っ払って、「人」を見れば、とたんに経済はシンプルになる❞

ビジネスは基本的にむずかしくてややこしいことばかり。
だからこそ、「人」を軸に改めて見つめ直してみることが、時にはブレイクスルーにつながるかもしれません。

みなさんも、自分なりの心の翻訳機、持ってみてはいかがでしょうか。

Photo/Getty Images

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