インサイドセールスで活用されるオウンドメディアとは

Summary

最近、BtoBビジネスに取り組む企業の中で、オウンドメディアの立ち上げが増えてきています。特に、withコロナになって営業活動が制限されるようになってから、Pomaloにも相談件数が増えてきました。そこで今回はインサイドセールスで活用されるオウンドメディアについて考えてみたいと思います。

インサイドセールスへのオウンドメディアの活用

仕事で調べ物をしているときに、たまたま見つけた資料をDLしたり、ウェビナーを視聴したことはありませんか?そしてその際、会員登録を求められて、登録するとメールマガジンがずっと届くようになったり、中には電話がかかってくることもあったかもしれません。

なぜ、そんなことが起きているのか。それは、BtoBビジネスの営業活動にオウンドメディアの活用が広がってきているからです。その背景には、対面営業ができなくなったことによる「インサイドセールス」の強化があります。

今までも企業は、新規顧客を獲得するために、リード(見込み顧客)を集めることを行ってきていました。イベントに出店したり、専門メディアに頼って集めることが多かったのですが、イベントはコロナでできなくなり、またリードを獲得してもその後対面営業ができないことで、成約までの効率が下がっていきました。

そこで取り入れられたのがオウンドメディアを活用したインサイドセールスです。リードが求めていそうな情報をコンテンツ化することで、自然検索でサイト来訪してもらいます。そして役に立つコンテンツを渡す代わりに個人情報をもらい、MAツールなどで情報を管理。メール配信を通じて継続的にサイトに来てもらうようにし、そのリードが接触するコンテンツを追いながら、検討段階が進んだところで営業が電話をかけてアプローチする、という手法です。

顧客を再訪させるコンテンツ

企業と人の信頼関係は、一朝一夕でできるものではないですよね。ましてやWEB検索でたまたま見つけた記事を読んだだけでは、その記事が何のメディアの記事なのか、その記事を出しているのはどういう会社なのか意識することはないと思います。

そこで企業は、オウンドメディアにSEO記事をたくさんアップして、自然検索経由で集客するだけではなく、集めた顧客に会員登録してもらうことで顧客のメールアドレスを入手。顧客の役に立ちそうな情報を、メールマガジンを通じて継続的に配信することで、オウンドメディアに何度も来訪してもらい関係を築いていくことを重視し始めました。

オウンドメディアで提供する情報は、業界ニュース記事のこともあれば、成功企業の担当者が語るウェビナーやホワイトペーパーなどの資料・イベント開催などもあり、発信する内容と形式の充実が求められます。メディアとしてどういう顧客体験を提供するのか、記事を読んだりウェビナーに参加した顧客にどういう読後感や学びを感じてもらいたいのかを、戦略立てて設計し、コンテンツラインナップを考えることも必要です。

またそもそも顧客にメールマガジンを通じてサイトに来訪してもらうためには、それぞれのコンテンツが魅力的でなければなりません。成功企業の担当者や業界内で影響力がある人などをキャスティングして、寄稿してもらったりウェビナーやイベントに登壇してもらうことも、魅力的なコンテンツづくりを左右するので、企業側には人脈も求められます。

リードを「育てる」

しかもオウンドメディアでは顧客に役に立つ情報だけ発信し続けて、信頼関係を築くだけでなく、コンテンツに触れてもらう中で、自社サービスの検討をしてもらい、営業活動につなげていかなければなりません。

そこでメディアの情報の中には、自社が提供するサービスの必要性や、導入して課題解決した企業の事例などを混ぜ込んでいくことで、潜在的なニーズがある顧客のホット度を高めていき、リード育成をしていく必要があります。そのために、「コンテンツペルソナ=メディア読者として想定する顧客像」を設定して、その顧客がサービス検討するにあたりどのような情報収集行動をするのかを具体的に想定しながら、カスタマージャーニーマップに落としていく必要があります。そしてその行動に合わせてコンテンツのラインナップを用意して、どういう検討フェーズの人にはどういう手段でコンテンツを届けるのがよいのかをマーケティングをしていかなければなりません。そして個別の顧客ごとに、コンテンツの閲覧履歴をみてホット度が高そうか低そうかを判断して営業アプローチにつなげるため、アクセスデータと顧客管理DBとの連携も必要になります。

求められる編集者やマーケターのスキル

オウンドメディアの運営者は、まずSEOの仕組みが理解できる必要があるため、WEBメディア経験があり、かつメディアコンテンツの全体戦略が考えられる”編集長”的なスキルが求められます。また、記事制作からウェビナー・イベントなどのディレクションやクオリティコントロールをしなければなりません。また、営業チームとも連携をして、カスタマージャーニーマップに基づいたコンテンツ設計をしたり、MAツールやCRMツールから上がってくるデータをもとに、コンテンツの見直し・改善を進めていく必要があります。

求められる役割が多岐にわたるため、実践している企業では、編集者とマーケティング担当者で分業していたり、私が所属している会社のような支援会社と組んで、チーム体制を作って運営しているところが多いように思います。

まとめ

以上、インサイドセールスで活用されるオウンドメディアについて考えてみました。

取組みはかなり大変ですが、オウンドメディアを通じて顧客獲得に成功して、事業拡大している中小ベンチャー企業も多く、これからの営業活動としてますます注目されていくのではないかなと思っています。

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