コンテンツにおける『Z世代』の立ち位置

足立 直侑紀

Summary

Z世代のこと、理解してます?

「最近の若いやつは......」。
居酒屋でジョッキ片手におじさんが嘆いていそうな言葉ですが、みなさんは最近の若いやつ、特に『Z世代』と呼ばれる若者のことをどれくらい理解していますか?

突然すみません。改めまして&はじめまして、ポマーロ株式会社でプランニングエディターとして働く、Y世代の足立です。
なぜ冒頭のような導入から入ったかといいますと、私はこの会社で平たく言えば、コンテンツを考える・提案する・つくるのが仕事でして、日々コンテンツに頭を悩ませる身としては、Z世代はいま切っても切り離せない存在だからです。

そもそもZ世代って?

よく耳にするZ世代ですが、みなさんはその定義をちゃんとご存知ですか? これを読んでくださっている方はきっと、この会社に興味があったり、仕事をお願いしようか考えている方が多いはず。

なので、そんな知識は当たり前のように備えているかと思いますが、念の為ご紹介しておくと、Z世代とは1990年代後半から2010年代初頭までに生まれた世代のことを指します。2022年現在の年齢にして、「10代から20代前半までの若者」のこと。

そう、意外に広いんですよね(笑)。彼らの特徴は、物心がついたときからデジタル技術が発達しており、幼い頃からインターネットやスマートフォン、SNSに慣れ親しんだ、いわゆるデジタルネイティブってやつ。かっちょいいですねえ。

2021年、顕著だったZ世代の2つの消費行動

さて、そんなZ世代が、現代の消費行動のカギを握ると言われています。Z世代が発端となり、新たな消費行動が開花すると。ウェブメディア、『日経クロストレンド』の「2021年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」という記事でも、2つの新たな消費行動が紹介されていました。

ひとつは、「Tiktok売れ」(ランキングの1位はコレでした)に代表されるように、”自分が欲しい物を吟味して買う”という購買行動から、”たまたま出合った商品が気に入れば買う”という偶発的な消費行動。
もうひとつは、昭和や平成の定番商品の続編やリメイクが成功したことに代表される、「昭和・平成レトロブーム」からくる消費の流れ。いわゆる、”エモい”ってやつです。

いずれも、Z世代が中心となって巻き起こったムーブメントであり、消費の中心がZ世代であることが顕著になった一年だったと示されていました。

大企業もZ世代に日々頭を悩ませている(!?

消費の中心がZ世代になりつつある今、彼らにウケるコンテンツを生み出すことができれば、簡単に世の中のトレンドに仲間入りできると言い換えることができますよね。まぁ、それがすんごく難しいんですけど(笑)。

そして、それに頭を悩ませてるのは私に限らず、ありとあらゆる企業も一緒。先日テレビで見た、とあるニュース番組では、Z世代向けのマーケティング支援会社が特集されていました。その会社は、2021年に前年対比で5倍以上の問い合わせが合ったそうです。誰もが耳にしたことのある大企業ですら、Z世代にどうアプローチしていいのか、どんなコンテンツをつくればいいのか、日々試行錯誤していることが窺えます。

頭を抱えながらも、私が2021Z世代向けに発信したコンテンツをひとつ、ここで紹介させていただきます。とあるファッション企業さんからのお題は、ECモールサイトへのトラフィックと売上を促進することでした(超はしょってますのであしからず)。

私たちが提案したのは、Z世代に支持を得る2人の女性インフルエンサーを起用し、彼女たちが強みとするダンスを切り口に動画をつくり、ダンスと相性のいいTiktokをプラットフォームの中心に据え、拡散を狙うというコンテンツでした。先述した、まさに「Tiktok売れ」をイメージしたものだったんです。

しかし、クライアントにはTiktokアカウントがなかったため、彼女たちのアカウントからダンス動画を発信、ユーザーへ興味喚起を促し、サイト流入へつなげようという戦略でした(実際の動画はコチラ)。

クライアント自身もTiktokをコンテンツの中心に据えることは初めての試みで、前向きに賛同いただき実施まで至ることができました。具体的な数字や詳細を記述することは控えておきますが、分析結果ではポジティブな数字を残すことはできました。

Z世代に響く、コンテンツの正解

では、Z世代に響くコンテンツの正解とは、一体なんなのでしょうか?

ここまで、散々Z世代の理解者のように色々と書いてきましたが、Z世代に響くコンテンツの正解は、正直私にはわかりません(笑)。Tiktok動画を発信するもよし、アナログなものをつくるもよし、イベントを開催するもよし。正解は様々。「コレだ!」という正解はないと思います。

ただ、私がここで伝えたいのは、「Z世代を意識する」ということです。コンテンツづくりにおいて、Z世代の立ち位置はきわめて重要。コンテンツを考える際に、頭の片隅に彼らを居座らせておくだけで、随分とコンテンツへの向き合い方や考え方は変わるのではないでしょうか(これは自分への戒めでもある)。だから、「最近の若いやつは......」と嘆いてるおじさんも、少しばかりZ世代に寄り添ってみてはどうでしょうか。

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